2025 年 42 巻 2 号 p. 175-177
透析関連手根管症候群は,血液透析の合併症として一般的に広く知られる病態である.透析患者に対し,対面式アンケートを用いて正中神経領域の手指の痺れ・疼痛・夜間痛の有無や母指球筋萎縮の有無,理学所見(手根管のTinel 様徴候,Phalen test)の有無,透析期間,現在のシャント側を調査するコホート研究を行った.シャント側と手根管症候群の臨床学的重症度の関係について検討した.手根管症候群を有した22 名のうちシャント側有病手19 手,非シャント側有病手17 手について,Carpal Tunnel Syndrome 6 questionnaire(以下CTS-6)スコア,疼痛の強さ(Face Rating Scale:以下FRS),疼痛による夜間覚醒の回数(回/週)を調査した.シャント側有病手と非シャント側有病手で比較したCTS-6 スコア,FRS,疼痛による夜間覚醒の回数(回/週)に有意差は認めなかった.シャント側と手根管症候群の臨床学的重症度に明らかな関連は認めないと考えられた.