2025 年 42 巻 2 号 p. 178-180
舟状骨近位1/3 の骨折であるFilan-Herbert 分類B3 型は,舟状骨骨折の中でも特に偽関節に陥りやすいとされる.本研究では手術治療を行ったB3 型舟状骨骨折の臨床成績を調査した.2012 年7 月~2024 年6 月に手術を施行した新鮮舟状骨骨折132 例中,B3 型は12 例であり,そのうち骨癒合まで経過観察可能であった11 例を対象とした.全例,中空螺子による内固定が実施され,手関節鏡による靱帯損傷の評価も行われていた.術後外固定期間は平均4.6 週であり,全例で骨癒合を獲得した.骨癒合までの期間は平均13.8 週であった.関節可動域と握力はそれぞれ対健側比で90%以上に回復し,the Quick disability of the arm,shoulder,and hand the JSSH Version スコアは平均で初診時の47.1 点から最終診察時の1.1 点へ改善した.B3 型骨折で骨癒合を確実に獲得するため,骨折部の血流を阻害しない適切な小侵襲手術後に約5 週の外固定を実施しても,臨床成績への影響は少ないと考えられた.