日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
手根管症候群と肘部管症候群の合併例に対する手術成績と多発性絞扼性末梢神経障害の患者因子に関する検討
辻 華子市川 裕一西田 淳永井 太朗畠中 孝則山本 謙吾
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2025 年 42 巻 2 号 p. 184-187

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抄録

Multiple Entrapment Neuropathy(MEN)発症には複数の末梢神経に影響を及ぼす因子が存在する可能性がある.著者らは,Carpal Tunnel Syndrome(CTS)・Cubital Tunnel Syndrome(CuTS)同時手術例と各々の単独手術例における術後成績の比較および患者因子の分析を行い,MEN 発症の背景について検討した.対象は2015 年以降にCTS・CuTS 合併例に対して同時手術を施行した9 例10 肢である.また,同期間に施行したCTS 単独手術例,CuTS 単独手術例との対比のため,DASH score の推移を術前後で評価した.さらに年齢,性別,BMI,職業,利き手,喫煙,糖尿病・腎機能障害合併の有無,透析の有無を各群間で比較した.単発群では術後6 か月,12 か月で術前に比してDASH score の有意な改善を認めた.合併群ではいずれの時点においても有意な変化はなかったが,単発群と比して透析患者の割合が有意に高かった.CTS・CuTS 合併例では術後回復に長期経過を要することが示唆され,MEN 発症には全身の代謝性障害が関与している可能性が考えられた.

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