2025 年 42 巻 2 号 p. 45-49
橈骨遠位端骨折(DRF)患者は骨密度低下を来している可能性が高く,また高齢者の中でも比較的年齢が若い女性が多いため,骨粗鬆症に関しては活性型ビタミンD3 製剤を中心とした治療から開始することが多い.一方,活性型ビタミンD3 製剤の中でもエルデカルシトール(ED)は骨密度改善効果が優れているとされるが,骨質に対する効果は未だ不明な点が多い.今回,女性DRF 患者140 人に対してED を基盤とする治療(ED 単剤,ED とビスホスホネート製剤の併用,ED と抗RANKL 抗体製剤の併用)のそれぞれの骨密度およびTrabecular Bone Score(TBS)を用いた骨質への効果を検討した.最終的に調査可能であったのは115 人であった.ED 単剤群では腰椎および大腿骨近位部骨密度は1 年で有意な上昇を認めたが,大腿骨頚部に関しては有意差がなかった.また,骨吸収抑制剤との併用群では全ての骨密度で有意な上昇を認めた.一方,TBS に関してはすべての治療群で有意差を認めなかった.女性DRF 患者におけるエルデカルシトールを基盤とした治療は,骨密度と比較して骨質改善への効果は低い可能性がある.