2025 年 42 巻 2 号 p. 41-44
本研究では,考案したSL hook test により手根中央関節鏡視で背側舟状月状骨靱帯損傷を評価し,その診断能をGeissler 分類と比較検討した.対象は手根中央関節鏡視を行った26 例(橈骨遠位端骨折16 例,抜釘3 例,骨端線損傷1 例,尺骨突き上げ症候群3 例,三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷2 例,舟状骨骨折1 例)で,SL hook test はプローベの先端が背側舟状月状骨靱帯に引っかからずに抜ける場合を陽性とした.結果,SL hook test 陽性は4 例,Geissler 分類grade Ⅲ以上は14 例であり,有意な関連性はなかった(p=0.31).舟状月状骨解離に対する感度はSL hook test 28.6%,Geissler 分類71.4%,特異度はそれぞれ89.5%,52.6%であった.SL hook test は舟状月状骨靱帯損傷を診断する特異的検査として有用であり,Geissler 分類は舟状月状骨解離をスクリーニングする感度の高い手法であった.両検査の併用が静的舟状月状骨解離の診断に重要であった.