2025 年 42 巻 3 号 p. 198-206
Wide awake surgery は鎮静剤を使用せず,患者の意識が覚醒した状態で行う局所麻酔手術である.エピネフリン含有リドカインを使用することで,血管収縮による長時間の麻酔効果が期待でき,駆血帯を使用せずに無血野を確保でき駆血時痛を伴わないため,医療経費軽減,患者の安心感,合併症率の低下,術後の鎮痛効果に優れる.術中自動運動を行えるため,手術での縫合緊張度・腱鞘の処置などの微調整,これまで知りえなかった術中の動的評価,患者教育を行えるため,臨床転帰を改善させることが期待できる.2021 年に発刊されたWide awake hand surgery and therapy tips(2nd edition)を基に,その後の知見も織り交ぜて,麻酔方法,有用性,禁忌と注意点,適応と代表的な手術について概説する.