前骨間神経麻痺は正中神経の運動枝である前骨間神経,後骨間神経麻痺は橈骨神経の運動枝である後骨間神経の障害によって生じる麻痺である.絞扼性神経障害が原因で生じる場合もあるが,近年は神経痛性筋萎縮症の一亜型として生じている場合があると注目されている.免疫や神経炎の関与が疑われ,神経の砂時計様くびれが発見されることもある.神経痛性筋萎縮症は一般には疼痛が先行し軽快後に麻痺が生じるとされるが,先行する疼痛が無い例や,感覚障害や他神経の麻痺を合併している例が存在し注意が必要である.保存療法がメインであるが,手術が必要な症例も存在する.電気生理学的検査のほか,MRI,超音波検査などを行い,病歴,身体所見などと合わせて診断をしていくことが重要である.