2025 年 42 巻 3 号 p. 227-230
トランスサイレチン(TTR)型心アミロイドーシスは進行性かつ致死的だが,治療可能な疾患となり,早期診断の重要性が高まっている.本研究は,その早期診断を目的に,Donnelly らの基準を参考に患者選択的に滑膜生検を行い,TTR アミロイド陽性率を調査した.両側性手根管症候群(CTS)は両側ともBland 分類“Moderate”以上と定義し,2023 年7 月~2025 年2 月に手術を行ったCTS 患者16 例中,基準を満たし生検に同意した8 例を対象とした.TTR 陽性は2 例(25%)であった.本結果は,Donnelly らの報告(10.2%)より高値であったが,本邦の既報(平均37.8%)と比べるとやや低値であった.近年,ばね指も新たなリスク因子として注目されており,今後はこれらを含めた基準の構築が望まれる.