日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
遠位骨幹部に縦割れが及ぶ高齢者橈骨遠位端骨折の検討
大原 建中島 貴子照屋 裕紀
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2025 年 42 巻 3 号 p. 253-255

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抄録

高齢者橈骨遠位端骨折は日常的に遭遇する骨折であり,非手外科専門医や専攻医が対応することも多い.高エネルギー外傷では遠位骨幹部に骨折が及ぶこともあるとされるが,低エネルギー外傷で受傷した場合にも,時折,遠位骨幹部に転位のない縦割れが及ぶ症例を経験する.その場合,縦割れを避け,ロングプレートによる内固定が必要となり注意を要する.当院で手術加療を行なった,日常生活動作で受傷した高齢者橈骨遠位端骨折67 例を後ろ向きに調査した.その結果,遠位骨幹部に縦割れが及ぶ症例は4 例6.0%であった.縦割れ部位はColles 骨折で掌側,Smith 骨折で背側にあり,転位方向の対側に生じる可能性が示唆された.縦割れがある症例は,ない症例と比較して高齢で骨密度が低い傾向があった.遠位骨幹部に縦割れが及ぶ症例は珍しくなく,見逃しに注意を要し,ロングプレートの準備が重要である.

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