2025 年 42 巻 3 号 p. 256-261
これまで橈骨遠位端骨折の治療成績の多くは医療者側からの患者評価(Clinician-reported outcome)によって検証されており,患者自身が生活動作や満足度を評価する患者立脚型評価(Patient-reported outcome)によって検証された報告は少ない.本研究では,橈骨遠位端骨折の掌側ロッキングプレート固定術後に単純X 線画像上で矯正損失を生じた20 例(AO 分類C2:8 例,C3:12 例)を対象に,矯正損失が患者のADL にどのように影響するかを患者立脚型評価の質問細項目別に検証した.矯正損失を生じた20 例は,術後平均8.3 か月でHand20 が平均14.4 点,Quick DASH が平均10.5 点であり,全ての細項目が平均2.0 点以下の低値であった.橈骨遠位端骨折の手術治療では,術後矯正損失が生じても患者立脚型機能評価はそれほど悪化せず,患者満足度は比較的高かった.特に握力を要する日常動作や力仕事・重労働の細項目が悪化傾向であった.