日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
掌側舟状骨窩骨片を伴う橈骨遠位端骨折に対する掌側ロッキングプレート固定の臨床成績
福原 宗森谷 浩治牧 裕幸田 久男黒田 拓馬坪川 直人
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2025 年 42 巻 3 号 p. 249-252

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抄録

橈骨遠位端骨折に対する掌側ロッキングプレート(PLP)固定後に,舟状骨の亜脱臼が報告されている.本研究では,その原因とされている掌側舟状骨窩(VSF)骨片を有する橈骨遠位端骨折に対するPLP 固定の臨床成績を調査した.2012 年7 月~2023 年6 月に橈骨遠位端骨折に対して観血的整復内固定を施行した1227 例から,VSF 骨片を有し,関節可動域などを評価できたPLP 固定施行の26 例を対象とした.掌側月状骨窩(VLF)骨片の合併を26 例中23 例で認め,使用したPLP は近位設置型が5 例,遠位設置型が8 例,関節縁型が13 例であった.手関節および前腕の可動域は平均で背屈59°,掌屈55°,橈屈19°,尺屈36°,回外87°,回内73°,握力の対健側比は77%であった.術直後と最終診察時の平均矯正損失は尺骨変異が+0.7mm,掌側傾斜が+1.7°,橈骨遠位端尺側傾斜が+0.7°であり,術後に舟状骨の亜脱臼を認めた症例はなかった.VSF 骨片を有した橈骨遠位端骨折では,合併するVLF 骨片の固定を意図して80%の症例で関節縁型を含めた遠位設置型のPLP が使用されていた.このようなプレート選択であってもVSF 骨片の転位や舟状骨の亜脱臼は認めておらず,臨床成績も良好であった.そのため,VSF 骨片を有した橈骨遠位端骨折においても,合併するVLF 骨片に則した治療で問題は生じにくいと考える.

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