2025 年 42 巻 3 号 p. 284-289
開放骨折などの軟部組織損傷を伴い,高度の粉砕・転位を認め,外固定による整復位保持が困難な橈骨遠位端骨折に対し,創外固定を用いた二期的手術を行った11 例の治療成績を報告する.初回手術では創外固定を設置して可能な限り関節面を整復し,手指運動の妨げになる合併損傷は可能な限り修復および内固定を行った.術後は早期より手指可動域訓練を開始し,軟部組織の状態が改善した後に二期的に内固定術を行った.結果,全例で骨癒合が得られ,有意な矯正位の損失は認めなかった.臨床評価では,関節可動域は手関節背屈64°,掌屈53°,前腕回内82°,回外83°,握力対健側比は87%,DASH score は8.8 点と機能回復は良好であった.また,感染や手指拘縮などの合併症も認めなかった.本法は,適応を慎重に選択し,手術侵襲を最小限に抑えることで,高度の粉砕・転位を伴う橈骨遠位端骨折に対する有用な治療選択肢の一つとなると考える.