固有示指伸筋腱(EIP)は,長母指伸筋腱(EPL)断裂や母指対立再建術において腱移行に用いられるが,破格が存在すると術式の変更を要することがある.本研究では,実習用解剖体188肢を用い,EIP の破格の有無を調査した.正常なEIP は155 肢(82.4%)で,欠損例は5 肢(2.7%),太さ2mm 以下の腱は4 肢(2.1%)に認められた.そのほか,重複腱や中指への腱の分岐など様々な破格が存在した.EIP を用いた腱移行術においては,破格の存在が術中の対応を困難にする可能性があり,十分な術前評価および術中の対応が必要であると考えられた.