2025 年 42 巻 3 号 p. 371-375
橈骨遠位端骨折において,掌側月状骨窩(以下VLF)骨片の整復と固定性は治療成績に大きな影響があり,VLF 骨片が小さい月状骨窩骨片最小長軸長(以下MLLF)が8mm 未満の症例に対しては通常の掌側ロッキングプレートでは十分な固定が得られず,成績不良となる可能性が高い.今回,そのような症例に対して,Acu-Loc2 プレートのスーチャーホールに掌側靭帯を縫合して,VLF 骨片を安定化させた方法で行った8 例8 手について治療成績を検討した.全例で術後経過中に骨折部が転位の増悪を示すことなく骨癒合が得られ,手関節の機能に対しても良好な成績であった.MLLF 8mm 未満の小さいVLF 骨片に対する治療方法には,リムプレートやspring wire fixation 法などの様々な方法が提唱されているが,Acu-Loc2 プレートに存在するスーチャーホールを使用して掌側靭帯に縫合することでも,VLF 骨片に対して十分な固定性が得られる可能性がある.