2026 年 42 巻 4 号 p. 449-454
手関節におけるdistraction plate 固定は,内固定が困難な関節内粉砕骨折や骨粗鬆症による著明な骨欠損を伴う骨幹端粉砕骨折に用いられるが,本邦において報告が少ない.Distraction plate 法における合併症や治療成績について,当院の経験を報告する.対象は当院で手術を施行した3 例で,受傷時の平均年齢は85.3 歳,全例女性であった.待期期間は平均6 日.Zimmer Biomet 社のA.L.P.S. 腓骨遠位コンポジットロッキングプレートを用いた.経過観察期間は平均14.3 か月であった.最終可動域において掌屈はやや不良であったが,機能的可動域を獲得できていた.合併症は遷延癒合を1 例に認め,Q-DASH は平均22.7 点であった.内固定が困難な関節内粉砕骨折や著明な骨欠損を伴う骨幹端粉砕骨折に対して,distraction plate 固定は合併症率が少なく,治療成績は良好であった.今後,有用な選択肢の一つとなりうるが,その適応については議論の余地がある.