2026 年 42 巻 4 号 p. 455-458
CT 画像から舟状大菱形小菱形骨間(STT)関節症の舟状骨の位置,舟状骨と有頭骨の動態の特徴を調査した.対象はSTT 関節症患者14 例と健常者5 例である.解析は手関節3 肢位(最大橈屈位,最大尺屈位,中間位)のCT を用いた.手関節中間位における舟状骨の位置と,手関節橈屈位から尺屈位における舟状骨,有頭骨の回転方向と回転角度を算出し,STT 関節症例と健常例で比較した.また,関節症の進行との関連を調査した.舟状骨はSTT 関節症において健常者に比べて中間位で背屈,尺屈していた.手関節橈尺屈運動に伴い舟状骨は逆ダーツスロー方向に回転し,回転軸は関節症の進行とともに掌背屈方向から橈尺屈方向へ変化した.有頭骨の橈尺回転角度はSTT 関節症で有意に減少した.舟状骨の回転軸周りの回転角度は関節症進行に伴い減少するが,早期関節症での舟状骨回転角度は健常より増大傾向であった.STT 関節症において舟状骨は伸展尺屈し,関節症の進行とともに舟状骨動態が変化することが明らかになった.