2026 年 42 巻 4 号 p. 482-485
当科における橈骨遠位端骨折(DRF)患者の骨粗鬆症治療の現況を報告する.50 歳以上のDRF 患者35 名,non DRF 患者35 名における腰椎,大腿近位部,前腕遠位部の骨密度,若年成人平均値(YAM)を測定した.DRF 群,non DRF 群共に,橈骨遠位のYAM は有意差をもって大腿近位部,腰椎より低値であり,群間比較での橈骨遠位YAM に有意差は認められなかった.50 歳以上のDRF 患者123 名の受傷前後の骨粗鬆症治療歴,受傷後のDXA 検査率,腰椎,大腿近位部YAM を調査した.受傷前の骨粗鬆症治療率は23.6%であり,受傷後の骨粗鬆症検査率は84.6%で,腰椎81.0%,大腿近位80.1%であった.受傷後の骨粗鬆症治療率は82.1%であった.腰椎もしくは大腿近位部YAM が80%以上では骨粗鬆症治療介入率は18.8%であり,80%以下では97%であった.DRF は骨粗鬆症診療の契機として重要である.