2026 年 42 巻 4 号 p. 486-490
Eaton Stage Ⅳの母指CM 関節症では,CM 関節に加えてSTT 関節,特に舟状小菱形骨間(STd)関節の変性が疼痛の原因となりうる.著者らは,術前にCT およびMRI でSTd 関節の変性を確認した症例に対し,従来の大菱形骨切除に基づくLigament Reconstruction Tendon Interposition(LRTI)法およびSuture-Button suspensionplasty(SBS)法を併用したHybrid 原法に加え,小菱形骨近位部(STd 関節面)切除とソフトアンカーを用いた腱球挿入によるHybrid 変法を施行してきた.今回,Hybrid 変法を施行し,12 か月以上経過観察が可能であった21 手の臨床および画像所見を後方視的に検討した.術後には,Visual Analogue Scale やDASH スコアが有意に改善し,握力,つまみ力,外転可動域も向上した.画像評価においては,小菱形骨腔距離の保持とともに,dorsal intercalated segment instability(DISI)変形の進行抑制が認められた.本術式は,STd 関節の変性を伴うEaton Stage Ⅳの母指CM 関節症において,有効な選択肢となりうると考えられた.