日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
骨幹部に及ぶ橈骨遠位端骨折に合併した尺骨骨折の 固定方法が橈骨の骨癒合に与える影響
朝永 育田口 憲士西 亜紀松林 昌平辻本 律尾﨑 誠
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2026 年 42 巻 4 号 p. 477-481

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抄録

橈骨遠位端骨折に尺骨遠位端骨折を合併する症例では,橈骨を掌側ロッキングプレートで安定に固定すれば,尺骨の固定は不要とされることが多い.しかし,骨折線が骨幹部に及ぶ橈骨遠位端骨折では,前腕全体の安定性に関して尺骨の固定がより重要である可能性がある.本研究では,骨幹部に及ぶ橈骨遠位端骨折にBiyani 分類3 型の尺骨骨折を合併した7 例を対象に,尺骨の固定方法と橈骨の骨癒合との関連を後ろ向きに検討した.尺骨にプレート固定を行った3 例では全例で良好な骨癒合が得られたのに対し,髄内鋼線固定または保存療法を行った4 例中2 例で橈骨に偽関節を認め,追加手術を要した.これらの結果から,骨幹部に及ぶ橈骨遠位端骨折においては,尺骨の安定性が橈骨の骨癒合に影響する可能性が示唆された.

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