日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
Wartenberg sign 陽性となる尺骨神経CMAP 振幅値について
舩本 知里太田 壮一貝澤 幸俊
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2026 年 42 巻 4 号 p. 524-527

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抄録

絞扼性末梢神経障害は麻痺が進行してからでは回復が難しい.麻痺が顕在化する電気生理学的な検査閾値が予め分かれば,しびれ感だけの症状であっても,検査上その閾値より低い値であれば,麻痺の増悪する前段階として手術加療を勧めやすい.今回,尺骨神経の複合筋活動電位(CMAP)の振幅値を調査し,Wartenberg 徴候(WS)の出現する閾値を検討したので報告する.当科で尺骨神経神経伝導検査を施行した71 例を対象に,WS と尺骨神経のCMAP 振幅値とを比較した.WS 陽性27 例,陰性44 例で,振幅値はWS 陰性例で平均8.5±0.4(4.3-14.7)mV,WS 陽性例で平均4.8±0.5(0-11)mV であった.WS 陽性例で振幅値は有意に低下していた.WS 陽性例の振幅値の95%信頼区間上限値は6.2mV であった.CMAP 振幅値6.2mV 以下に振幅値が低下すると,軸索損傷を主体とする骨間筋麻痺が顕在化する可能性が高くなると考えられた.

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