日本手外科学会雑誌
Online ISSN : 2188-1820
Print ISSN : 2185-4092
学術集会発表論文
術後10 年以上経過した手指屈筋腱腱鞘炎患者の心不全発症についての検討―心アミロイドーシスとの関係性の考察―
村井 玲那大石 崇人大村 威夫
著者情報
ジャーナル 認証あり

2026 年 42 巻 4 号 p. 552-555

詳細
抄録

手根管症候群における術中検体のアミロイド沈着や術後の心不全・心アミロイドーシス発症に関する報告が散見される一方,患者背景が近似することの多い手指屈筋腱腱鞘炎(ばね指)では術中検体のアミロイド沈着の報告はみられるが,症例報告を除けば心アミロイドーシス発症等の長期的な予後についての報告はない.当院でばね指に対して手術加療および腱鞘でのアミロイド沈着の染色を行い,術後10 年以上経過を追跡しえた症例において,心アミロイドーシスの発症ならびに心不全症状の発生を調査した.経過を追跡しえた患者24 名中アミロイド陽性者は17 名(70.8%),心不全発症者は1 名であり,心アミロイドーシスの発症者はおらず,心不全の発症にアミロイド陰性群との有意差はなかった.トランスサイレチン(ATTR)型アミロイド陽性者は2 名で,いずれも高齢男性で手根管症候群の既往歴があった.ばね指と心不全・心アミロイドーシス発症に関しては,今後も症例を重ねて検討していく必要がある.

著者関連情報
© 2026 一般社団法人日本手外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top