日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
外来手術で再接着を行った不全切断指の2 例
菅原 留奈小林 康一亀倉 暁増山 直子深澤 克康髙宮 章裕
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2026 年 42 巻 5 号 p. 642-646

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抄録

当院にて入院加療が困難な切断指2 例に対し,外来手術としての再接着を行なった.2 例とも中高年男性で,1 例に高血圧症の既往があった.断端形成を行なった指尖部切断の合併を除き,いずれも単指の不全切断(zone Ⅲ)であった.1 例目は動脈および静脈をそれぞれ吻合し,2 例目は動脈吻合のみ行なった.術中,動脈吻合後にヘパリン2000 単位を急速静注し,術後はバイアスピリン100mg を7 日間内服継続とした.術後安静度は自宅内での日常生活程度の安静を指示し,それぞれ術後5 日目および8 日目で生着を確認し,いずれも部分壊死や萎縮を生じなかった.外来手術での再接着は,術後合併症・阻血への即時の対応が困難であるという欠点はあるものの,瀉血を要さない不全切断において,入院加療が困難かつ術後管理に対する患者理解が得られる場合には,断端形成に代わる一つの選択肢となりうることが示唆された.

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