2026 年 42 巻 5 号 p. 659-664
橈骨遠位端骨折(以下DRF)患者は二次骨折の可能性が高く,本骨折後の骨折リスク評価および予防治療介入が重要である.骨折リスク評価としてはDual-energy X-ray Absorptiometry(DXA)法による骨密度評価が標準基準とされているが,測定可能な施設が限られている.握力は利便性が高く,近年ではActivities of Daily Living(ADL)や死亡率との関連も報告されている.今回,50 歳以上の女性DRF 患者148 例を対象とし,健側握力と骨強度,下肢筋力および運動能力との関連性を調査するとともに,女性のサルコペニア基準である握力18kg を境として各パラメータを2 群間で比較し,健側握力がこれら二次骨折リスク因子の簡易評価ツールになりえるかを検討した.健側握力は全てのパラメータと相関を認めた.さらに,健側握力18kg 未満の症例では全てのパラメータが有意に低下していた.女性DRF 患者において,健側握力は二次骨折リスク因子の簡易的評価ツールとして利用可能と考える.