2026 年 42 巻 5 号 p. 709-714
小児橈骨遠位骨幹端骨折におけるPeterson 分類Ⅰ型骨端線損傷は報告が少ないが,骨端線早期閉鎖を生じると,関節面の形態変化,続発性手根不安定症や変形性手関節症のリスクがある.本損傷の合併頻度および骨端線早期閉鎖の発生率とその臨床像について後方視的に検討した.103 例中14 例に本損傷を認めた.年齢,性別,受傷機転,治療法に有意差は認めなかった.初診時に10 例で骨端線損傷が見逃されていた.骨端線早期閉鎖は2 例に生じ,1 例は骨性架橋切除術を,1 例は経過観察を行った.本損傷は単純X 線像で見逃されやすく注意を要する.Peterson 分類Ⅰ型損傷は決して稀ではなく,成長障害を引き起こす可能性があるため,受傷時から本損傷の存在を念頭に置き,早期閉鎖が生じた際は年齢・性別・骨性架橋の位置等を考慮し,将来的な橈骨遠位関節面の変形を予測しながら治療方針を決定すべきである.