日本手外科学会雑誌
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Print ISSN : 2185-4092
学術集会発表論文
母指CM 関節症に対するSuture button suspensionplasty における第2 中手骨のボタン設置位置による治療成績の比較検討
小川 崇文久島 雄宇平本 剛士市川 武近藤 晋哉尼子 雅敏
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2026 年 42 巻 5 号 p. 751-754

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抄録

母指CM関節症へのSuture button suspensionplastyにおける第2中手骨のボタン設置位置は,近位1/3以内が従来推奨されるが,その臨床的根拠は乏しい.本研究では,ボタン設置位置が第2中手骨長の近位1/3より遠位にある群と近位にある群に分け,術前後のVisual Analog Scale,関節可動域(掌側・橈側外転健側比),握力(健側比),key pinch力(健側比)の術後改善率を比較した.すべての検討項目が術前と比して術後1年に有意に改善していた(p<0.05).また,術前後の改善率では両群間に有意差を認めなかった.術後合併症を生じた症例は認めなかった.よって,ボタン設置位置と術後成績との関連性は低く,ボタン設置位置を第2中手骨の近位4割以下に留めておけば,臨床上支障はないと考えられた.また,ボタン設置位置を厳密に第2中手骨の1/3以内に留めるために,複数回のドリリングを行うことは,骨折のリスクとなるため避けるべきであると考えられた.

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