2026 年 42 巻 5 号 p. 755-758
母指CM 関節症に対する関節形成術として,著者らは従来Modified Thompson 法(MT 法)を行っていたが,最近では遊離長掌筋腱と骨核腱球を使った関節形成術(PL 法)を行っており,それらの成績を比較検討した.MT 法を行ったのは12 名15 手,全例女性,平均年齢68.7 歳,PL 法を行ったのは10 名12 手,全例女性,平均年齢72 歳であった.両群とも術後,掌側・橈側外転可動域およびvisual analogue scale は有意に改善した.ピンチ力も術後1 年で改善傾向であり,Hand20 のスコアは有意に改善した.Trapezial-resection space ratio(TSR)は両群とも術直後から術後6 か月にかけて低下したが,その後は維持されていた.PL 法は廃棄するはずの大菱形骨・長掌筋腱をスペーサーとして活用することで術後鋼線固定期間の短縮を可能にし,皮切がCM 関節背側のS 字状皮切と長掌筋腱採取部の小皮切のみであるため,橈骨神経浅枝症状発症リスクも低減できる.PL 法は低侵襲でありながら,MT 法と同等の成績を期待できると考える.