2026 年 42 巻 5 号 p. 790-793
橈骨遠位端骨折後の骨密度検査率と骨粗鬆症の治療率は,過去に実施した調査ではいずれも低値であった.そこで,橈骨遠位端骨折後の二次骨折を予防するための取り組みとして,骨粗鬆症に対して適切な治療介入を行うための診療プロトコルを作成し,多施設で運用を開始した.今回,その短期成績を評価した.50 歳以上の橈骨遠位端骨折例140 例を対象に,診療プロトコルに沿って骨密度検査や脆弱性骨折の既往を評価し,骨粗鬆症の診断を行った.骨粗鬆症患者に対しては薬物治療を導入した.その結果,115 例が骨粗鬆症と診断され,骨粗鬆症患者に対する治療率は93%となっていた.1 年以上経過観察可能であった76 例中,二次骨折は脊椎骨折1 例のみで,1 年間の二次骨折の発生率は1.3%であった.診療プロトコルに基づく多施設での継続的な取り組みは,二次骨折予防に有効である可能性が示唆された.