2026 年 42 巻 6 号 p. 829-832
超高齢社会の日本では90 歳以上の橈骨遠位端骨折(DRF)症例を診療することも増えている.90 歳以上のDRF 症例の背景と,その傾向を知ることを目的に調査した.90 歳以上のDRF 25 例を対象とし,手術治療を行った15 例(手術群),保存治療を行った10 例(保存群)に分け,それぞれの群の同居家族の状況,受傷前のBarthel Index を調査した.骨折受傷時の同居家族の状況は手術群では4 例が独居,9 例が家族と同居,2 例が施設入所中であった.保存群では2 例が独居,6 例が家族と同居,2 例が施設入所中であった.手術群の同居家族がいた8 例のうち2 例が高齢の配偶者との二人暮らしであった.Barthel Index の平均値は手術群で低かったが有意差はなかった.統計学的有意差はなかったものの,生活のサポートが不十分である症例や,受傷前のADL が低い症例では手術を選択する傾向が見られた.