2026 年 42 巻 6 号 p. 833-837
伸筋腱皮下断裂Zone 7 に対する端側縫合の適切な緊張度は明らかでない.術後は腱の癒着や縫合部のゆるみを生じることから,最終成績から最適な緊張度を判断するのは困難である.WALANT で腱再建を行った71 手のうち,端側縫合の縫合緊張度の微調整を行った13 手26 指について,緊張度を標準,10mm 強め.10mm 弱めとした時の術中自動可動域の変化量を計測し,最適な縫合緊張度について検討した.腱断端の長さの限界や前腕の筋痛出現のために,縫合緊張度を調整できる幅は20mm 程度であった.縫合緊張度を10mm 強くするとMP 関節伸展角度はおよそ10°増加した(p<0.01).しかし,MP 関節屈曲角度は減少しなかった.端側縫合部のベクトル,癒着やゆるみなどの術後変化を考慮する必要があるが,至適縫合緊張度は,手関節中間位で指の並びをそろえ,橈側隣接指より少し強めとなる位置からさらに10mm 強めに縫合することと考える.