2026 年 42 巻 6 号 p. 856-859
本症例報告は,長大な神経欠損に対し,血管柄付きと非血管柄付の腓腹神経移植を同一患者で比較したものであり,血管柄付き移植の方がより早期に知覚が回復することを示した.30 歳男性の左環指・小指切断再接着後,長大な神経欠損部を生じ,それぞれ血管柄付き,非血管柄の神経移植を行った.血管柄付き神経移植を行った環指の方が,Tinel’s sign の前進速度は速かった.しかし,最終的な知覚回復には限界があり,長期的な機能回復には限界があることも示唆された.従来から基礎研究で血管柄付き神経移植の優位性が知られているが,本症例で臨床的にその早期効果を確認できた.