2026 年 42 巻 6 号 p. 922-927
サッカーのゴールキーパーが手掌部でシュートブロックして受傷した舟状骨骨折の特徴を検討した.当院で手術を行った舟状骨骨折・偽関節60 例中,ゴールキーパーで受傷した4 例を対象とした.全例が手掌部でのシュートブロックによる受傷であり,近位部骨折であった.4 例中2 例は,受傷2 日で前医を初診したものの骨折の診断には至らず,2 か月後に再診して偽関節の診断となった.残り2 例は,疼痛軽微のため自身で放置し,受傷2 か月と4 か月での前医受診であった.受傷から手術までの期間が平均3.2 か月と長く,MRI が施行された2 例では近位部骨壊死を認め,血管柄つき骨移植術を施行した.ゴールキーパーが手掌部でシュートブロックして受傷する舟状骨骨折は,非特異的な受傷形態であり,その骨折は近位部に生じやすい.手をついて転倒し受傷する舟状骨骨折と比較し,疼痛の軽微さや,診断の困難さなど,患者側,医療側それぞれの要因が重なることで偽関節に進展しやすいと考える.