2026 年 42 巻 6 号 p. 928-931
近年,手根管症候群(CTS)が心アミロイドーシス(CA)の初発症状であることが注目されているが,滑膜からアミロイドが検出されてもCA の診断に至らない症例も多い.今回,CTS を契機にCA が疑われ,精査に至った2 症例を報告する.症例1 は68 歳男性,両側CTS で,初回手術時にはアミロイドが検出されなかったが,対側手術での滑膜からアミロイドが同定され,精査にて初期のCA の疑いと診断された.症例2 は81 歳女性で,手術時にアミロイド陽性であったが,術後3 年目に心不全症状を呈し,心生検でCA の診断に至った.両症例とも非定型的な経過をたどり,CTS とCA の関連を示唆するものであった.CTS 治療時にはCA 発症リスクを念頭に置いた評価が重要である.