日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
Distal Intersection Syndrome に起因した長母指伸筋腱皮下断裂の2 例
小林 英之松井 雄一郎岩崎 倫政
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2026 年 42 巻 6 号 p. 918-921

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抄録

Distal intersection syndrome(DIS)は,第2・第3 伸筋区画遠位の腱交差部に生じる稀な腱鞘炎であり,DIS に起因した長母指伸筋腱(extensor pollicis longus:EPL)断裂の報告例はわずかであるが存在する.今回,DIS を契機にEPL 皮下断裂を生じた2 例を経験した.いずれも基礎疾患や外傷歴はなく,手関節背側痛の後に母指伸展困難を自覚し受診した.MRI では,第2 区画遠位に液体貯留を認め,第3 区画ではEPL 腱の描出消失が確認された.手術所見では,第2 区画遠位の滑膜炎とEPL 断裂を認め,DIS に伴う滑膜炎がEPL 断裂の誘因となったと考えられた.また,2 例ともMP 関節の伸展不全が著明であり,1 例においては術中に短母指伸筋腱(extensor pollicis brevis:EPB)が索上構造を呈し,低形成が疑われた.EPB 低形成によるEPL への負荷増大が,背景因子であった可能性も示唆された.

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