2026 年 42 巻 6 号 p. 932-938
再接着が困難な外傷性前腕切断において,筋電義手は有効な代償手段の一つである.しかしながら,筋電義手装着に適した「断端長」や「軟部組織の条件」については未だに明確な基準が確立されていない.本研究では,当院において筋電義手訓練を実施した外傷性片側前腕切断の7 症例を対象に,訓練を担当した作業療法士の視点から後方視的検討を行い,断端の特徴を評価し,訓練上の課題との関連について検討した.その結果,筋電義手の装着と訓練においては,①断端長の短さ,②創瘢痕の存在による筋電位の検出困難,③断端の軟部組織の不安定性が,重要な阻害要因となることが考えられた.高機能の筋電義手の効果を最大限に引き出すためには,初期治療を担う外傷外科医や手外科医に対して,安定した筋電位の検出および装着に適した形状に配慮した断端形成の重要性について,啓発と周知を図る必要がある.