2026 年 42 巻 6 号 p. 949-952
著者らは尺側指のMP 関節周囲骨折に対し,尺側指のみを伸展ブロックする尺側ナックルスプリント法を行っており,尺側ナックルスプリント(Splint 群)と従来のナックルキャスト(Cast 群)で固定した際の手指運動機能評価について検討した.対象は健常成人9 人で,平均年齢28.3 歳であり,検討項目はSimple Test for Evaluating Hand Function(STEF),書字,箸動作,ペットボトルの開閉とした.STEF の正常最低点を下回った人数はSplint 群で2 人,Cast 群で5 人であった.全体の点数や検査個別の点数では,両群間に有意差を認めなかった.個別の検査に要した時間では,検査1(大球),検査4(中立方),検査7(布),検査8(金円板)において,Splint 群がCast 群より有意に短縮していた.書字,箸動作に要した時間では,両群間に有意差は認めず,ペットボトルの開閉に要した時間では,Splint 群がCast 群より有意に短縮していた.STEF の一部の項目とペットボトルの開閉に要した時間において,Splint 群がCast 群より有意に短縮しており,尺側ナックルスプリントが従来のナックルキャストより装着時の機能面で優れている可能性が示唆された.