2026 年 42 巻 6 号 p. 976-980
Posteromedial rotatory instability(PMRI)は,内反軸圧により鉤状突起のanteromedial(AM)骨折をきたす.関節不適合により早期関節症をきたすとされ,適切な治療介入が望まれる.今回,当院で手術を施行したPMRI 4 例(男性2 例,女性2 例,平均年齢43.3 歳)について調査した.AM 骨折は,O’Driscoll 分類におけるAM のsubtype 2 が3 例,basal のsubtype 1 が1 例であった.麻酔下内反ストレステストにおいて,全例でAM 骨折の動揺を伴う亜脱臼を認めた.全例でAM 骨折をプレート固定し,その後も内反不安定性が残存した2 例で外側側副靱帯修復を施行した.平均11 か月の経過観察で,Mayo Elbow Performance Score は術前平均16.3 点から術後平均96.3 点へ改善し,平均可動域は伸展-2.5°,屈曲135°であった.関節症性変化はなかった.PMRI ではまずAM 骨折を固定し,内反不安定性が残存する症例に対しては外側側副靱帯の修復が有用と考えられた.