2026 年 42 巻 6 号 p. 971-975
本研究の目的は,超音波画像診断装置を用いて関節包外脂肪体の測定方法を考案し,検者内および検者間信頼性を検討することである.さらに,健常者における手関節背屈と関節包外脂肪体の位置変化の関係について調査した.対象は健常成人20 名20 手とし,背屈0°,30°,60°,90°の各肢位で関節包外脂肪体の位置と面積を測定した.統計解析は,測定方法の検者内・検者間信頼性を算出し,各肢位における関節包外脂肪体の位置変化と面積を,反復測定の分散分析とFriedman 検定を用いて比較・検討した.検者内信頼性は0.70~0.89,検者間信頼性は0.70~0.92 であった.各肢位における関節包外脂肪体は,背屈角度の増加に伴い遠位へ変位し,面積も有意に増加した.本研究により,超音波画像診断装置を用いた関節包外脂肪体の測定方法は,信頼性があることが示された.さらに,健常な手関節では,背屈時に関節包外脂肪体が機能的に変形しつつ遠位へ変位し,手根中手関節部において厚みが増加することが明らかとなった.