日本統計学会誌
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原著論文
漸近展開の不連続項を利用した離散バートレット型変換統計量
関谷 祐里種市 信裕
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2015 年 45 巻 1 号 p. 1-17

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抄録
多項分布の適合度検定において,対数尤度比統計量Tの単純帰無仮説のもとでの極限分布がカイ二乗分布であることはよく知られている.Siotani and Fujikoshi (1984) は,単純帰無仮説のもとでの対数尤度比統計量Tの分布の漸近展開式を導出し,Tの下側確率に対する近似式として,J1+Ĵ2を提案した.ここで,J1は多変量エッジワース展開の項であり,Ĵ2は不連続項J2の1次近似である.本論文では,この連続項J1と不連続項Ĵ2を利用した離散バートレット型変換統計量T*及びT**を紹介する.数値計算の結果,TからT*T**への変換によってカイ二乗分布近似が改善できることがわかった.
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© 2015 日本統計学会
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