2次元ユークリッド平面における曲線としての鞍点の長さによって,基準化された標本平均
Snに関する漸近正規性を捉える.この結果はsp-変換により,フィッシャー計量が定義された正規分布のモデル多様体ℳ上へ拡張される.sp-変換は鞍点すなわち確率分布をℳ上の曲線(sp-曲線)へ移すが,これは``鞍点を包絡線とするような接線群を考える''というアイデアによって得られる.さらにsp-変換が写像として全単射であることから,鞍点を有する全ての確率分布は母数が滑らかに変化する正規分布の族により生成されるという事実が明らかになる.sp-曲線の長さはℳの座標系に依存しない形で得られるが,ℝ
2の場合と同様
Snの漸近正規性の評価基準として有用である.
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