2016 年 46 巻 1 号 p. 69-84
本稿では,非斉次な説明変数が存在する場合の構造変化点の信頼領域の構築方法を提案する.まず初めに,構造変化点に関するある種の最適検定を導出し,次に,その検定を反転させることにより構造変化点の信頼領域を構築する.一般的には,変化点に関する検定統計量の極限分布は説明変数の積率に依存してしまうということを明らかにした上で,非斉次な説明変数が時間変数t(線形トレンド)の場合に,この問題を解決する方法を提案した.モンテカルロ実験では,提案された方法で構築した信頼領域の有限標本でのカバレッジは信頼水準に近いものとなり,実用的な方法であることが確認された.