日本統計学会誌
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原著論文
長期停滞論の視点からみた地域経済—都道府県別・潜在GDP とGDP ギャップの推計を踏まえた分析—
芦川 敏洋
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2020 年 50 巻 1 号 p. 1-45

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抄録

日本経済の潜在成長力や成長可能性に関する先行研究は数多く取り組まれているが,県レベルでの(セミ)マクロ経済分析になると,データ上の制約もあって限定的となる.そこで,本稿では,資本ストックデータを独自に試算し,47都道府県それぞれの潜在GDPとGDPギャップの推計を試みる.さらに,その推計値を活用する形で,近年の市場経済における長期停滞の要因を解く「長期停滞論」の視点から仮説を設定し,地域経済圏域を分析対象にして検証を試みる.国内の多くの県において「需要不足による長期停滞」なのか,特に東京都を中心とした東京大都市圏はその傾向が顕著なのか,それとも,それ以外の地方圏では「供給不足による長期停滞」であるのかを,潜在成長率やGDPギャップの動きなどに関する実証分析を通じて明らかにする.

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