日本統計学会誌
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日本統計学会小川研究奨励賞特別寄稿論文
Quadrature公式の構成理論と実験計画法
澤 正憲
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2021 年 51 巻 1 号 p. 179-211

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抄録

実験計画法の分野において,モデルの関数形やその関数の積分値を推定するために,与えられた標本サイズのもとで最適な点配置を求める研究がなされてきた.特に超球体の表面あるいは内部で定義された関数の積分値の推定に関して回転可能計画 (rotatable design) を用いる研究領域がある.回転可能計画やその類似概念の研究は,統計的観点のみならず,数値解析学における求積公式 (quadrature) や組合せ論におけるユークリッドデザイン (Euclidean design) の研究領域において独自に展開されてきた.本稿では,回転可能計画,ユークリッドデザインの研究領域を探訪しながら,高次元の(矩形)求積公式の構成理論を概観する.また種々の実験計画法を求積公式の枠組みで再構築する意義として,応答曲面モデルが多項式である場合に,Box-Behnken計画,中心複合計画,Doehlert計画などの古典的な応答曲面計画で表現可能な近似多項式の最大次数の上界が得られることをみる.

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