2024 年 53 巻 2 号 p. 315-348
本稿では2つの話題を扱う.1 つはバートレット(型)調整後の局所検出力の比較,もう1つは非対称カーネルによるノンパラメトリック密度推定である.前半に関して,対数尤度比統計量は平均調整をしたときそのカイ2乗近似が分布の意味からも改良できることがよく知られているから,対数尤度比統計量以外の統計量に対するカイ2乗近似の改良法を示し,局所検出力の比較について解説する.一方,後半では,非対称カーネルによる最近の話題を概観し,標準的な位置尺度型カーネル法の境界バイアス問題を回避する.