2019 年 38 巻 p. 27-38
本研究の目的は,特別養護老人ホームでのend-of-life careにおける生活相談員の支援姿勢と支援内容を明らかにすることである.本研究では特に,end-of-life careの「移行期」における家族の意思決定に焦点を当てている.研究方法は定性的(質的)研究法である.データ収集は,インタビューにより行った.データ分析には定性的(質的)コーディングを用いた.分析の結果,特別養護老人ホームでのend-of-life careにおける生活相談員の支援姿勢は「家族本位から生じるジレンマとの共存」,支援内容は「看取りの説明を通しての気持ちの整理および選択の促進」としてそれぞれ定義できた.さらに,看護領域,ソーシャルワーク領域との比較検討により,その支援特性を提示した.本研究の成果は,高齢者施設でのend-of-life careにおける家族の意思決定支援および,そのための専門職の役割分担と協働の検討に貢献するものである.