ソーシャルワーク学会誌
Online ISSN : 2189-8944
Print ISSN : 1884-3654
ISSN-L : 1884-3654
論文
ソーシャルワークスーパービジョンスキルの評価指標開発
-認定スーパーバイザーへの質問紙調査を通して-
大谷 京子
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 38 巻 p. 39-50

詳細
抄録

 本調査の目的は,スキルの構造を明らかにし,スキル評価尺度を開発することと,スーパーバイザーの属性との関連を明らかにし,訓練のための基礎資料とすることである.

 質的調査によって抽出された634のスキルを基に21項目のスーパービジョン(以下SV)スキル評価のための質問紙を作成し,各団体認定スーパーバイザー558名を対象に郵送調査を実施した.

 回答者の半数近くは経験も浅く,日本における組織的SVの展開は始まったばかりであることが示された.スキルについて確認的因子分析の結果,「スーパーバイジー中心」「課題焦点化」「実践化」「承認と評価」という4因子が得られた.スキル得点と属性との関連を分析した結果,ソーシャルワークの経験年数とは関連がなく,担当したスーパーバイジーの人数とは関連が高かった.すなわち,質の高いSVのためには,そのための訓練とSV実践が必要であることが明らかになった.

著者関連情報
© 2019 日本ソーシャルワーク学会
前の記事 次の記事
feedback
Top