抄録
本研究は、通信教育課程の大学生を対象としたオンライン講義でのジェネラティブアート制作支援のための生成AIチャットシステム「Creative Copilot」の有効性を評価するものである。STEAM教育の一環として技術的スキルと芸術的感性の統合を目指すことを目的としている。Creative Copilotは自然言語処理技術を基礎とする生成AIを活用し、個別化された学習支援や即時的なフィードバックを提供する。
混合研究法を採用し、定量的および定性的データを収集・分析することで、システムの導入が学生の積極的参加度、内容理解度、満足度に統計的に有意な改善をもたらしたことを明らかにした。質的分析からは学生がシステムと頻繁かつ有意義な対話を行っていたことが確認された。対話ログ分析からは学生の対話パターンが基本的概念の理解から具体的な問題解決、さらには高度な技術的探究へと深化していったことが示唆された。NPSスコアからは大多数の学生がシステムを肯定的に評価していることが判明した。