STEM教育研究 : 論文誌
Online ISSN : 2434-6438
バスケットボールにおけるディフェンス時の視線制御方略
武村 愛中川 雅子中田 大貴
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 7 巻 p. 51-58

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抄録
本研究では、バスケットボールの1対1におけるディフェンス動作に関し、ディフェンス力と視線制御の関連性に着目し、ディフェンス力の高い選手と低い選手の特徴の違いを明らかにすることを目的とした。対象は中学生および高校生のバスケットボール選手とし、コート内で1対1を実施してもらった。視線の動きを記録するために、ウェアラブル・アイマークレコーダーを使用した。また、ディフェンス力の指標として独自の観察的動作評価法を作成し、選手を評価した。実験の結果、ディフェンス時の視線の位置は選手の身長や経験年数に関わらず、個々の意識によって決定されることが示された。特に、ディフェンス力が高いと評価される選手は、相手選手の体幹部分(特に腹部や腰部)に視線を集中させている傾向が確認された。従来のバスケットボール指導現場では、ディフェンス時に重心を低く保つスタンスの指導が主流であるが、相手選手の体幹部分に視線を向けることも、より効果的な指導法である可能性が示唆された。
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© 2025 日本STEM教育学会
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