日本血栓止血学会誌
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原 著
異なる疾患群におけるIgG型抗プロトロンビン抗体測定キット2社間の測定値の乖離
河嶋 洋平山崎 雅英森下 英理子朝倉 英策長谷川 稔大竹 茂樹
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2005 年 16 巻 4 号 p. 378-385

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抄録

現在我が国では2社((株)MBL社,(株)Cosmic corporation社)においてホスファチジルセリン依存性抗プロトロンビン抗体(aPS/PT)測定ELISAキットが開発・治験されている.これらのキットを用い全身性エリテマトーデス(SLE),原発性抗リン脂質抗体症候群(PAPS),強皮症(SSc)の各疾患群に分けて抗体価を測定し,2社間の抗体価の相関性について解析を行った.その結果,SLEおよびPAPS群では2社の測定値間には有意な相関性が認められた(SLE:r=0.99,p<0.0001,PAPS:r=0.99,p<0.0001)が,SSc群では有意な相関性は認められなかった(r=0.070).抗プロトロンビン抗体にはサブクラスが存在することが報告されているが,今回の結果より2社のaPS/PT測定キットでは基礎疾患により異なった結果が得られる可能性が示され,様々な疾患でaPS/PTを測定する際には注意が必要である.

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© 2005 日本血栓止血学会
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