日本血栓止血学会誌
Online ISSN : 1880-8808
Print ISSN : 0915-7441
ISSN-L : 0915-7441
特集:血液凝固の制御機構と臨床応用への展望
Tissue factor pathway inhibitor(TFPI)の基礎
坂田 飛鳥大森 司
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 25 巻 1 号 p. 5-10

詳細
抄録
要約:TFPI は外因系凝固反応を抑制する生理的なセリンプロテアーゼインヒビターである.TFPI は主に血管内皮上で作用し,TFPI・FXa 複合体がTF・FVIIa 複合体に結合することで外因系凝固反応開始を抑制する.3 つのKunitz 型ドメインを有し,K1 とK2 がそれぞれFVIIa, FXa と結合し活性を阻害する.TFPI の抗凝固能の完全な発揮にFXa を必要とすることは,生じた血栓に応じた凝固制御反応に重要と考えられる.また,TFPI による凝固制御が個体発生に重要な役割を持つこと,ならびにTFPI が直接的に血管構成細胞の増殖制御を引き起こすこと等が示唆されている.
著者関連情報
© 2014 日本血栓止血学会
次の記事
feedback
Top