日本血栓止血学会誌
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特集 血液凝固研究/臨床最前線
Factor VIIa 製剤の過去・現在・未来
桑原 光弘
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2014 年 25 巻 4 号 p. 475-481

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抄録
要約:インヒビターを保有する先天性あるいは後天性の血友病患者の止血治療には,第VIII 因子/第IX 因子をバイパス(迂回)する製剤が必要になる.薬理学的濃度の遺伝子組換え活性型凝固第VII 因子製剤(rFVIIa)は,活性化血小板膜上で,第VIII 因子/第IX 因子をバイパスして直接第X 因子を活性化することが出来る.血漿から精製された活性型凝固第VII 因子が,インヒビターを保有する先天性血友病A 患者に初めて投与され,1983 年に報告された.その後rFVIIa は1996 年に欧州で,2000 年に日本で製剤として正式に承認された.また現在rFVIIa は,先天性第VII 因子欠乏症や,グランツマン血小板無力症の出血抑制に対しても承認されている.現在,rFVIIa の改良型製剤,あるいは別の作用機序によるrFVIIa の代替製剤の開発が,複数のメーカーより行われている.
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© 2014 日本血栓止血学会
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